TEL 03-6906-6811
休診日:水曜・土曜午後・日曜・祝日
12:00~16:00 訪問診療
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16:00~19:00

院長紹介

診療所開設にあたり

院長 大久保 陸洋

板橋区立平和公園の西隣に私の診療所はあります。
小さな 小さな診療所です。
私はここで生まれ、育ちました。
家は祖父の代からのテーラーでした。
幼い頃の私はこのあたりでは有名な腕白小僧でした。

小学校は中台小学校へ通いました。
現在の校舎は当時まだ建設中で、今の平和公園の一部にあったプレハブ造りの仮校舎に入学しました。
新校舎完成後、空地となったプレハブ校舎跡地に集まって、くる日もくる日も野球をして過ごしました。
ずいぶんご近所の家のガラスを割って迷惑をかけましたが、みなさん笑って許してくれました。
思えばいい時代でした。近所のおじさん、おばさんは、みな子供たちの顔を覚えていてくれました。
地域が子供を守っていてくれました。

こんな事件がありました。
わが家のある一画から道路一本隔てた西隣。現在は教育科学館になっているのですが、その前は新常盤公園という公園でした。(平和公園は東京教育大学の寮でした。)
今から40年以上も前のこと。深夜、公園内にあった町会事務所から火の手が上がりました。
火は風を呼び、黄色い火柱をまき上げ、黒い煙があたり一面をおおいました。
目も開けられず、息をするのも苦しい状況です。
当時40歳くらいであった私の父(3年前天寿を全うして死去)は、はだしで飛び出し、住み込みの職人たちを陣頭指揮してバケツリレーで消火にあたりましたが、それこそ焼け石に水。火の手はどんどん強まり、とうとう公園側の道路に面した隣の家の壁が黒く焦げて煙を上げ始めました。この家に火が付けば次は確実に我が家です。放水目標を燃えている町会事務所から隣家へ変え、必死に水をかけつづけましたが、燃えうつるのは時間の問題でした。
もはやこれまでかと思われたその時です。
「どいた、どいたー」と威勢のいい声がひびき、揃いのはんてんを着た町会の青年団がリヤカーにのせた消防ポンプを引いてかけつけてきたのです。
100万の援軍が来た思いでした。消防ポンプはすばやく消火栓につながれ、水は勢いよく隣家の壁を冷やしました。壁からは熱い湯気が立ち昇りました。そしてポンプは若者たちの大きな掛け声とともに燃え盛る炎の方へ向きを変えると放水を始めたのです。私と妹は、一緒にかけつけてきてくれた商店会長の肩にひょいとのせられました。そして彼の経営するそば店へ避難のため連れていってもらうことになりました。
その場を離れていく我々の耳に、遠く四方八方から近づいてくる消防車のサイレンの音が聞こえてきたことを覚えています。

偉大な先輩もいらっしゃいました。
当時の中台小学校の校医さん。仮にA先生(もうみなさんご存知ですよね)。

雨の日も風の日も通学路に立ち、子供たちに声をかけ、見守ってくれました。榛名や日光の移動教室の時などは、夜ご自身のクリニックをしまった後、手弁当で宿舎まで来てくださいました。
ナマキズの絶えなかった私はよく先生におさえつけられて傷口を縫合されたものでした。
あの時は本当に恨みました。

あの当時このあたりは公園や空地が多く、街灯も少なくて夜は真っ暗でした。
先生のクリニックは個人医院でありながらこの辺では数少ない救急車まで受け入れる救急指定診療所でした。夜になると赤い救急灯が軒先に灯りました。それは暗い町内のかなり離れたところからもよく見えて「安心の光」でした。

私はよく熱を出す子供で、母に背負われて夜中先生のクリニックの扉をたたいたことは一度や二度ではありませんでした。

先生は90歳まで現役の医師として地域医療に尽くされました。亡くなられてからも医学の発展に貢献される尊い行いをされた方です。

ああなんて素敵な人たち、なんとすばらしい、わが故郷。

地域のみなさんに見守られ、育てられ、おとなになり、いく歳月。

私の人生も後半戦となりました。
自分の死に場所はどこかと考えるようになった昨今。

鮭の話を思い出しました。
鮭は一人前になったら故郷の川に帰ってくる。
どんな困難があっても死力を尽くして帰ってくる。
瀧を登り、堰を越えて帰ってくる。
そして故郷の川で子供を産み、力尽きて死んで川のこやしになる。よしんば人に釣られたり熊に喰われたとしても、そうなることで周辺の地域に豊かな実りをもたらす。

そうだ鮭になろう。
今度は私が恩返しをする番だ。
少しでも役に立てる生き方をしよう。

と、まあ、そんな思いで開業することになりました。
ちょっといいカッコしすぎかな。

最後になりましたが、内科といわず、私にできることならなんでもしますので、お気軽にお立ち寄り下さい。
野球のお誘いも大歓迎です。

大久保医院 院長 大久保 陸洋

略歴

  • 日本大学医学部卒業
  • 日本大学医学部大学院修了 医学博士
  • 日本大学医学部附属練馬光が丘病院 澤田内科
  • 日本大学医学部附属板橋病院第1内科
  • 東京都保健医療公社東部地域病院
  • 志木市立救急市民病院
  • 慈誠会東武練馬中央病院

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本血液学会
  • 日本リウマチ学会
診療科目
内科
院長名
大久保 陸洋
住所
〒174-0071 
東京都板橋区常盤台4-10-5
電話番号
03-6906-6811
診療時間
休診日:水曜・土曜午後・日曜・祝日
12:00~16:00 訪問診療
  日祝
8:30~12:00
16:00~19:00